ぶらり、大山 〜大山の不思議と素敵を語る〜 大山開山1300年祭 特別コラム

[第16回:ERIKOさんスペシャル寄稿]

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モデル・定住旅行家

ERIKO(エリコ)

鳥取県米子市出身。東京コレクションでモデルデビュー。 モデル活動と並行し、「定住旅行家」として、世界の様々な地域で現地の人びとの家庭に入り、生活を共にし、その暮らしや生き方を伝えている。 また訪れた国では、民間外交を積極的に行い、現地と日本の架け橋になる活動も行う。 これまで定住旅行した国は、ラテンアメリカ全般(25カ国)、ネパール、フィンランド、ロシア、サハ共和国、ジョージア、イタリア、イラン、北海道利尻島、三重県答志島など。

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定住旅行家(現地の家庭に滞在をしながらその国の文化や生き方を配信する活動)として、一年の半分を海外で過ごす私にとって、遠くの国へ足を伸ばせば伸ばすほど、故郷とそのシンボルである大山は、自分自身を思い出させてくれる存在として、心の中にずっしりと構えて安心させてくれ、自分がどこから来たのかということを語りかけてくれる存在であります。

山を見て育ったことが影響しているのか分かりませんが、中南米を旅するようになってから、山登りが私の趣味の一つとなりました。南米のアンデス山脈、ネパールのヒマラヤ山脈、ヨーロッパ、様々な山岳地帯に足を伸ばして来ました。そしてそこには、山で暮らす人の生きる営みがあります。
世界の山は日本の山のように、多くの恵を与えてくれる場所はむしろ少なく、人間を厳しい環境に追い込むことの方が多い気がします。アンデスの山は緑が圧倒的に少なく、高山病のリスクが高いですし、ヒマラヤの山には源泉がほとんどありません。生活水を汲みに毎日何キロも往復することもありますし、畑で栽培できるものにも限りがあります。
世界の山々で生活を体験し、鳥取へ戻ってくると、大山が私たちの生活に恵をもたらしてくれるその偉大さを感じるのです。

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私の恒例行事にもなっているのが、年末の松明行列です。片手だと手にだるさを感じる重さの松明を持って、大神山神社まで参拝するのですが、積雪量や気候で、毎年の自然環境の変化や、自分にとっての1年を山道を歩きながら感じられるひとときです。いつからか、私が毎年必ず行うことの一つとなりました。

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現代の我々の生活環境は目まぐるしく変化しています。特に都会では、1年と同じ風景が続かないほど、常に新しい物が増えては変わり、変化の中にいることが当たり前のことのように感じます。
そんな暮らしの中で、ほんの少しの時間でも、山のように"動かないもの"に目を向ける時間が必要ではないかと思うのです。自然へ向ける眼差しを持つことは、現代の我々の暮らしに取り入れなければならない要素の一つだと思います。それは心に安心感と精神的な恵を与えてくれるものです。
大山、大山へ足を向ける人びと、そしてそこで暮らす人びとの今後を、これからも私なりに見守っていきたいと思います。

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