ぶらり、大山 〜大山の不思議と素敵を語る〜 大山開山1300年祭 特別コラム

[第2回] 大山のほたる

‚大山開山1300年祭 大山開山、大山のほたる

大山周辺のホタル

 日本国内で見られるホタルは約40種類といわれますが、その内発光するホタルは14種類ほどです。大山周辺では、田んぼや川で見られるのがゲンジボタルとヘイケボタル。森林で見られるのがヒメボタルです。
 ゲンジボタルは6月の上旬から下旬にかけて、ヘイケボタルは7月から8月にかけて、ヒメボタルは7月に見られます。このうち、大山寺周辺から大山山頂にかけて見られるヒメボタルについて紹介します。
 

大山山頂のヒメボタルとの出合い

 15年ほど前の夏、山頂泊のため大山登山をした時のことでした。夕方から登山をはじめたので、9合目の木道にさしかかった頃には、もうとっぷりと日が暮れ、木道が白く浮かび上がっていました。真っ暗な中、木道を踏み外さないよう慎重に足を進めていると、暗闇に慣れた目に小さな光の点滅が感じられるようになりました。その光は木道脇のキャラボクの中から発せられていました。足を止め、目を凝らすと、その光は何十、何百というほどの数であることがわかりました。木道の両脇を照らすイルミネーションのような灯りを頼りに、私は無事山頂小屋にたどり着くことができました。その時には、それが何の光なのか分からなかったのですが、その後、その灯りの正体を写真にとらえることができ、鳥取県立博物館に鑑定していただいた結果、ヒメボタルであることが分かりました。
 

ヒメボタルについて

大山開山1300年祭 大山開山、大山のほたる ヒメボタルの画像
ヒメボタルは、幼虫が陸生の貝を食べて生活し、森のホタルとも呼ばれ、1センチほどの小さな体でありながら、カメラのフラッシュのように鋭く光ります。その光は金色で、黄金のホタルともよばれます。大山の厳しい環境下で生き抜き、小さな体ながら、けなげにも光を放つヒメボタルです。大山の環境を大切にし、ヒメボタルが生息する環境を守りたいものです。
 

ヒメボタルを見るには

 多く見られる時期は、大山寺や阿弥陀堂周辺では7月15日前後、大山山頂では7月20日前後で、午後8時から9時頃が一番多く光ります。(その年の気候により変動あり)
 観察時の注意事項としては、

  1. 採取しない。(大山周辺は国立公園内です)
  2. LED等の強い光を当てない。(ホタルが光るのをやめます)
  3. 大声や大きな音を出さない。
  4. 山頂草原では、木道から外に出ない。(自然保護のため)

 以上の注意事項を守り、ヒメボタルの生息する環境を守りながら観察したいものです。

 

(ひめぼたる)

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