ぶらり、大山 〜大山の不思議と素敵を語る〜 大山開山1300年祭 特別コラム

[第29回]Beautiful harmony 令和の風景

 皇太子さまが新天皇に即位する5月1日午前0時、新しい元号『令和』が施行されます。

令和について、その出典、文字の意味、響きなどについて、いろいろな話題になっていますが、

多くの国民は好意的に感じているということで、スムースに「平成」から「令和」に時代の

バトンタッチされることに。

この新元号が発表された際、一部の外国メディアが「令」の字を命令や秩序を意味する

「order」などと訳して報じたため、外務省は異なった解釈が広まることを避けるため、

「令和」に込められた意味を「Beautiful harmony(美しい調和)」だと説明をするよう

海外の日本大使館に指示したということです。

日本語の「令和」では瞬間でその真意が汲み取りにくいですが、「Beautiful harmony」

となると真意、そしてメッセージをしっかりと感じ取ることができます。

万葉集からの出典ということで、大変奥深いものですが、英語ではシンプルに表現され、

多くの方がさらに親しみを感じることになりました。



 Beautiful harmonyはここ山陰にも相応しい言葉だと思います。

調和のとれた美しい風景(日本の原風景)が彼方此方に残っています。

ランドマークである国立公園大山の豊かな森の風景、自然と人の共生を感じさせる

山間の田園風景、白砂青松の弓ヶ浜海岸風景など「美しい調和」を感じる風景は

「令和の風景」と呼びたい程です。

特に5月のフレッシュな新録に彩られた風景は新しい時代のメッセージそのもの。

しっかり全身で受け止めたいものです。

 

 そんな特別な当地「令和の風景」をピックアップしてみました。

今年はそんな視点でロケハンを楽しみたいと思います。


写真1

(写真:梨花と大山)

 

 伯耆国の国守を務めた山上憶良(やまのうえのおくら)は新元号の出典となった

文章の作者との説もあるようですが、伯耆国府に赴いた際には間違いなくこんな風景

を見ていたことでしょう。

伯耆国府は倉吉にありましたが、風光明媚な東郷湖へも出かけたに違いありません。

写真の花は二十世紀梨の花ですが、当時は梅の花が咲いていたのかもしれません。

万葉の時代と変わらない大山と湖の春風景、人の手の入った梨畑・・・まさに「Beautiful harmony」です。

ちなみに山上憶良は約1300年前の霊亀2年(716年)から4年間、伯耆国守を務めたとされています。

大山寺開山(718年)の時期と重なります。



写真2

(写真:植田正治写真美術館と夕焼け)

 

 何気ない夕焼けの中に直線で縁取られた植田正治写真美術館とまん丸の太陽、

そして樹々のシルエット、そして真白なクルマ・・・絶妙なharmonyを奏でています。

優しい時間を感じますが、この「時間」も令和の風景の大切な構成要素かもしれません。



写真3

(写真:御机の宇宙を映す水鏡)

 

 奥大山、御机(みつくえ)の棚田風景。5月上旬、水田には水が張られ見事な水鏡となりました。

その鏡に映っているのは宇宙。クロボクを下敷きにした水鏡は見事なまでに宇宙の深さを

映し出しているようにも感じます。さながら、天空の水鏡。

この時期限定の「Beautiful harmony」です。

 

写真4

(写真:天空のグリーンテラス)

 

 大山は見る方向でカタチが変わります。ここ越敷山に設置されたゴルフ場は大山を

見るためにデザインされたよう。なかでも天空のグリーン(テラス)は最高のポイントです。

広がりのあるパノラマ風景と手入れされたグリーンは息を呑むほどの「Beautiful harmony」。

スポーツの舞台にも令和の風景が息づいています。


                                   (BUNAX)

 

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